コラム

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やさしさ最優先なら、行き着くのはオーガニックコットン製品。

やさしさ最優先なら、行き着くのはオーガニックコットン製品。

前回のコラム『妊娠・出産・育児…妊活を見据えて生理と向き合う』でお話した、環境ホルモン「内分泌撹乱化学物質」のこと。今回はまた別の角度から、もう少しお話したいと思います。日本では、過去に環境庁が作成した環境ホルモンとして作用する疑いのある物質リスト 全65種(1988年作成)のうち、44種類もが農薬で占められていたそうです。そして現在、世界の農薬使用量の約25%はコットンの栽培に使われています。

牧草地も含め、世界中の農地全体の中でコットンの栽培をする畑が占める面積はごくわずか。それにもかかわらず、農薬の使用量は世界全体の4分の1も占めるのは、衣類への使用が主な目的であり「食べ物ではない」という理由からのようです。また、慣行栽培されたコットンを製品化する際にも、漂白剤を筆頭に、さまざまな化学薬品が使用されています。この話題も前回のコラムで触れましたが、経皮吸収の割合は体の部位によってさまざまです。アレルギーなどが出やすく肌の弱い方、妊活を控えている方などにとっては、一般的なコットン製品に化学薬品がどれくらい残留するのか?ちょっぴり気になるところです。

 

実は食からも?! 一般的なコットン栽培の問題点

栽培されたコットンの使用方法として、綿花の部分は衣類などの布製品や、生理用ナプキンも含めた紙製品に使われます。そのほか種子の部分は、家畜の飼料に混ぜたり、絞って調理などに用いるコットンシードオイル(綿実油)となります。このコットンシードオイルはフライ食品やスナック菓子、缶詰などに使用されることもあり、実は食を通じて残留農薬などの化学薬品が体に入ってくる可能性もゼロではなさそうです。また最近は、バイオテクノロジーによって昆虫を寄せ付けないよう種子の遺伝子を組み換え、農薬の使用を少なくするという傾向も進んでいます。遺伝子組換えの種子は全世界のコットン生産量の約30%を占めるともいわれ、これはこれで人体への影響についてはまだ未解明なところが多いというのが現状です。一般的なコットンの栽培方法や製品化のプロセスについては、今後もさまざまなバイオ的模索が行われることが予想されます。

農薬や化学成分を使うことで、安定して大量生産のためのコットンを供給できるようになったのは事実ですが、その弊害は働き手にも及んでいます。世界保健機関 (WHO)などのレポートでは、世界各地で一年に数百万件もの農薬による中毒被害が起こっているそうです。このような現状を鑑みて、近年では人体にも地球にもやさしい選択として、農薬を使わないコットンの有機栽培や、製造段階でも化学成分を使わないオーガニックコットン製品が注目されるようになってきました。

 

有機栽培のオーガニックコットンの良さとは?

もともとコットンには、吸水性が高く水に強い、それでいて通気性を確保でき、さらりとした肌ざわりで涼やかさがある、といった利点があります。そのような利点は、慣行栽培のコットン、有機栽培のオーガニックコットン、どちらにも共通しています。ただし、有機栽培では殺虫剤の代わりにニンニクなどの刺激臭のあるものを植えたり、害虫の天敵といわれるてんとう虫を畑で育てたり、雑草を手作業で除去したりなど、かなりの手間ひまがかかっています。

収穫の時期も、枯葉剤などを使って早めに茎や葉を枯らして収穫するといった人工的な方法は使わずに、ひとつひとつの状態を見て、ちょうどいい状態のものを手摘みします。育成から収穫に至るまで化学薬品によって綿花が傷むことがないので、オーガニックコットンの繊維は自然な弾力に富み、柔軟剤などに頼らずともふんわりとした風合いが出やすいといわれています。コストは高くついてしまうものの、それに見合うだけの安全性と上質さが約束されているという点では、一般的なコットンと比べるとオーガニックコットンにかなりの分があるといえそうです。

オーガニックコットンの生理用品を選ぶメリット

 

米国では衣類の約60%を、日本では約40%をコットン製品が占めています。その中で、オーガニックコットンの製品が占める割合は1%にも満たない状況といわれていますが、化学物質アレルギーに悩む方などにはまさに救世主的な存在です。とくに経皮吸収率の高いデリケートゾーンに触れるアンダーウェアや生理用ナプキンといった製品にも、少しずつではあるもののより安心度の高いオーガニックコットンの使用が増えてきています。

生理用品については、日本では薬事法の規定で「白色であること」が定められています。そのため一般的な生理用品で使われるコットンのパルプは、塩素などを用いて漂白されています。オーガニックコットンのパルプを使用した生理用品はどうしているかというと、ほとんどは「無塩素漂白」という手法が取られています。さらに無塩素漂白には2つのパターンがあり、1つはECF(Elemental Chlorine Free)という、いわゆる塩素を使わず二酸化塩素などで代用する方法。そしてもう1つは、TCF(Total Chlorine Free))という、塩素の類をまったく使わない、より人体や環境にやさしい方法です。

これから、体や環境へのやさしさをうたったアンダーウェアや生理用品を選ぼうと思った時には、それはオーガニックコットンが使われている製品なのか、そしてどんな方法で清潔感のある白さを実現しているかなども、ぜひ一度チェックしてみてください。そして「自分にも環境にもやさしい」を最優先にしたちょっぴり贅沢なお買い物が、結果的にはオーガニックコットンを栽培する農家さんの生活とその健康をサポートすることになる、というのはとても嬉しいことですよね。

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セルフケアコンシェルジュ いしずか久見子

美容ライター(現在も 石塚久美子 名義で活動)として、1998年より数々の美容トレンド、健康法、国内外のメイクアップアーティストや化粧品開発者の取材を経験。現在は、宝島社『リンネル』でナチュラルコスメやオーガニックコスメを中心とした連載を担当中。自身が敏感肌であったことから、得意とするのは、アロマセラピーや色彩の基礎を踏まえた上での、肌の弱い方に向けたコスメやメイクの解説。2012年からは都内数カ所の保健センター 精神保健デイケアの社会復帰プログラムにて、気分転換や余暇のツールとして色や質感を心の健康管理に役立てるアートレクリエーションの講師も担当している。

 

これまでのさまざまな取材や学びの経験から、30代では代謝、とくに体の使い方や食が重要であることを深く実感。整体的要素を含むタイ式ヨガ“ルーシーダットン”の講師資格、栄養医学のアドバイザー資格などを取得。適度な運動、食べ方、化粧品の選び方や使い方を見直す、セルフケアによって自身の花粉症や体の歪みも驚くほど軽減したため、現在は“無理をしないセルフケア”を伝え広めるべく邁進中。

 

 

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