コラム

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妊娠・出産・育児…妊活を見据えて生理と向き合う

妊娠・出産・育児…妊活を見据えて生理と向き合う

「そろそろ妊活をはじめようかな…」となった時、ほとんどの女性が“妊娠しやすい体づくり”を意識されると思います。睡眠をきちんと取る、食事のバランスを整える、運動をはじめる方もいるかもしれません。とくに食に関しては、アルコールやカフェイン、添加物を取りすぎない、といったことも必須事項になってくることと思います。確かにそれらはいずれも、赤ちゃんを健やかに宿して育むために大切なことですよね。

しかし、そうした生活上のアプローチの中でも、意外に見落としがちなのが環境ホルモンの影響です。環境ホルモンの正式な名称は「内分泌撹乱化学物質」。なにやら不穏な響きの名称ですが、代表的なのはタバコに含まれていたりプラスチックを燃やした時に発生するダイオキシンや、大気汚染の原因物質のひとつであるPM2.5といった合成化学物質です。

 

環境ホルモンが体に与える影響と妊娠の関係性

環境ホルモンが人体に及ぼす影響はわかりはじめてからまだ数十年ですが、生殖能力へのダメージについては多数の報告があります。女性の場合は卵子の質に悪影響が及んだり、妊娠しにくくなると考えられており、男性の場合は精子の製造能力や遺伝子にダメージを受けやすくなるそうです。

 

環境ホルモンの中でも、とくにたくさん触れているのはプラスチック製品などに含まれる合成化学物質です。プラスチックというと、燃やした時に発生するダイオキシンの毒性がダメなのでしょ?と思われる方も多いと思いますが、実はビスフェノールA(BPA)という環境ホルモンも含まれています。このビスフェノールAはプラスチック製品が40℃以上の熱が加わると放出されるため、体への影響をできるだけ少なくするにはタッパーやトレーといった日常で使うプラスチック製品を選ぶ時に「BPAフリー」の表示があるものを選ぶことをおすすめします。

また、長期的に触れることで私たちの体に悪影響を及ぼすことになる合成化学物質は、実は生理用品を通じてデリケートゾーンから入ってきている可能性もあります。

デリケートゾーンの経皮吸収率は腕の内側の42

初潮の平均年齢は10歳〜15歳。成人して妊活を身近に考えられるようになるまでには短くても5年〜10年程度、生理用品を使い続けることになります。一般的な生理用ナプキンには、石油由来の高分子吸収剤をはじめ、シート部分の漂白のための塩素、包装のためのプラスチック、消臭のための香料など、利便性や吸収力の高さを確保するためにさまざまな合成化学物質が使われています。そしてこれらの合成化学物質が長期的に体に触れることによって起こる影響については、実はまだ安全性の確証が取れていません。

経皮吸収という言葉をご存知でしょうか。人間の皮膚には細胞間脂質などが関与するバリア機能が備わっており、水や水に溶けやすい天然の物質は基本的に肌から浸透して体内に入り込めません。ところが石油由来の合成化学物質は、分子量も小さく脂質に溶けやすい性質を持っているため、皮膚から体内に入り込んでしまえるのです。しかも、この経皮吸収の度合いは体の部位によって差異があり、腕の内側の経皮吸収率を1としたら、デリケートゾーンの経皮吸収率はその42倍ともいわれています。

生理と関係の深い子宮内膜症や子宮筋腫、そのほか不妊につながる婦人科系のトラブルにはいろいろな種類があります。さまざまな原因が複雑に絡み合って起こっていることも多いため一概には言い切れませんが、そうしたトラブルを未然に防ぎたい、あるいは改善しながらの妊娠や出産を見据えた場合、やはりデリケートゾーンに長時間触れる生理用品はノンケミカルなものを選びたいところです。

膣の常在菌バランスと、赤ちゃんの免疫力について

以前のコラム『湿度が高い時期の生理を楽にする デリケートゾーンの“ムレ対策”』では、汗をかいてムレた肌は、皮膚常在菌の中でも悪玉菌が優勢になりやすいというお話をしました。また『何を使って?どう洗う?夏の生理と“洗い過ぎ”のお話』では、女性の膣の健やかさはデーテルライン桿菌という乳酸桿菌で保たれている、という点に触れました。つまり、皮膚や粘膜が混在するデリケートゾーンの健康には“菌”が深く関わっています。

いわゆる自然分娩の場合*、赤ちゃんは膣も含めた産道を通って生まれてきます。そうしてお母さんの膣まわりの常在菌をまとうことが、誕生直後の赤ちゃんの免疫力の助けとなるそうです。このような常在菌研究の視点からも、妊活中にノンケミカルで通気性の良い生理用品を使ってデリケートゾーンの常在菌バランスを健やかに保っておくことは、なにがしかのメリットがあるといえそうです。

*帝王切開での出産の場合、赤ちゃんはお母さんの膣やデリケートゾーンまわりの菌をもらうことが難しくなりますが、初乳や母乳を飲むことで免疫物質が補給されます。また、乳児〜幼児期、3歳頃までにさまざまなものに触れたり、食事を通して、免疫力に関わる常在菌叢は確立されていくそうです。

ストレスの多い生活によるホルモンバランスの乱れや環境汚染の影響など、現代女性は妊娠したいと思っても、すぐには叶わないことも多いのが現状です。準備をするのに早過ぎるということはなく、妊活前に同世代で分かち合うことはもちろん、お母さんは娘さんに初潮がきたら、ぜひ「赤ちゃんを産む体づくり」や「本当の意味で体にやさしい生理用品」について語り合ってみてくださいね。

セルフケアコンシェルジュ いしずか久見子

美容ライター(現在も 石塚久美子 名義で活動)として、1998年より数々の美容トレンド、健康法、国内外のメイクアップアーティストや化粧品開発者の取材を経験。現在は、宝島社『リンネル』でナチュラルコスメやオーガニックコスメを中心とした連載を担当中。自身が敏感肌であったことから、得意とするのは、アロマセラピーや色彩の基礎を踏まえた上での、肌の弱い方に向けたコスメやメイクの解説。2012年からは都内数カ所の保健センター 精神保健デイケアの社会復帰プログラムにて、気分転換や余暇のツールとして色や質感を心の健康管理に役立てるアートレクリエーションの講師も担当している。

 

これまでのさまざまな取材や学びの経験から、30代では代謝、とくに体の使い方や食が重要であることを深く実感。整体的要素を含むタイ式ヨガ“ルーシーダットン”の講師資格、栄養医学のアドバイザー資格などを取得。適度な運動、食べ方、化粧品の選び方や使い方を見直す、セルフケアによって自身の花粉症や体の歪みも驚くほど軽減したため、現在は“無理をしないセルフケア”を伝え広めるべく邁進中。

 

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