コラム

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生理前のイライラ&落ち込みを、軽くするには。

生理前のイライラ&落ち込みを、軽くするには。

多くの女性が悩んでいるPMSには、お腹の張りや便秘、頭痛といった“身体的な不調”だけでなく、“精神的な不調”も含まれます。パートナーや彼氏とついケンカになる、仕事や家事でミスをしてしまう、なんだか気分が沈んで悲しい…。毎月決まって起こるイライラや憂鬱さは、20代、30代と年齢を重ねるにつれて「そういえば、生理前だった」と気づけることも多くなります。ただ、その繰り返しによって、なんとなく生理は面倒でイヤなもの、という認識を深めてしまっている方も多いのではないでしょうか。

PMSとしての“精神的な不調”が顕著になり、日常生活に支障をきたすほどになると、その状態はPMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれます。今回は、そうしたPMDDへの悪化を防ぐためにも、生活の中で自分で取り組めるちょこっとセルフケアのお話です。

PMSとしての“精神的な不調”は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの減少が引き金といわれています。前回のコラム『おやつと生理痛には関係が?!糖と油について。』の中で「生理前に甘いものを食べたくなるのは、女性ホルモンのバランスが一時的に崩れ、心の安定と関連の深いセロトニンが減少することが原因です」というお話をしましたが、セロトニンは別名“幸せホルモン”とも呼ばれています。

女性と男性では、セロトニンの合成量に違いが

男女で比較すると、女性のセロトニンの合成能力は男性の約半分しかないことがわかっています。前回のコラムでは「セロトニンの合成にはブドウ糖が必要」というお話もしましたが、具体的にいえばセロトニンは、必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンを素にして合成され、それがブドウ糖を介して脳で働くしくみになっています。そのため、セロトニンが不足するとまずはブドウ糖を欲してそわそわしたり、イライラ感が発生。さらにセロトニンの素となるトリプトファンが不足していると、イライラや落ち込み感がより深まるリスクが高くなる、というわけです。このトリプトファンが不足している時の女性の脳内のセロトニンの合成量も、やはり男性より4倍も少ないことがわかっています。

「心の安定を担うセロトニンの合成量には、男女でかなりの差がある」という事実がわかるだけでも、PMSの時に起きがちなパートナーや彼氏とのギクシャク感については、いくらか変化を起こせる部分がありそうですよね。また、自分なりにセロトニンの合成量を増やす工夫をしてみることで、先月よりも楽な気持ちで生理を迎えられるようになるかもしれません。では、どうすればセロトニンの合成や分泌は増えるのでしょうか?

普段の食事でセロトニンの素が不足しないように

セロトニンの合成量を増やすには、セロトニンの素となる必須アミノ酸、トリプトファンを体内で充実させておかなくてはなりません。トリプトファンが多く含まれているのは肉や魚、卵、大豆製品。そのほかゴマやナッツ類、バナナやアボガドにも多く含まれています。そしてトリプトファンからセロトニンへの合成に必要なビタミンB6もコンスタントな摂取が必要です。ビタミンB6は。サンマやイワシなどの青魚、肉、レバーなどから摂るのがおすすめですが、バナナにも豊富に含まれています。

また、セロトニンはブドウ糖を介して脳内で働くことができる、という説明を先ほどしましたが、ブドウ糖はこのトリプトファンが脳内に取り込まれるのを助けてくれます。しかしながら前回お話したとおり、ブドウ糖をお菓子などに含まれる白砂糖で摂ることは、体への負担が大きく生理痛を重くする原因にもなるため、避けたいところです。できればブドウ糖は、糖質の吸収スピードが緩やかな穀類やイモ類など炭水化物から摂るのがベストですが、やっぱり甘味が欲しい!という時は果物からの摂取がおすすめです。

セロトニンというテーマで身近な食品を見ていくと、効率良くセロトニンの合成を促したい!甘味も欲しい!という時のギルティフリーなおやつとしては、バナナはとても理想的な一品といえそうですね。

日々の生活の中でセロトニンの分泌を促すには

次はセロトニンの分泌を促す方法です。まず1つめは、「朝日を浴びること」。太陽の光が網膜を通じて脳内のセロトニン神経を刺激することで、セロトニンの分泌が活性化されます。時間としては、1日に20分〜30分程。屋外に出なくても、窓際やベランダなど十分な太陽光が射す場所ならOKです。決まった時間に起床して朝日を浴びる習慣は、睡眠と覚醒のリズムも整いやすくなるので自律神経の働きにもプラスに。

2つめは、「一定の動作を繰り返す、軽い運動をすること」です。これは、ウォーキングやシンプルなヨガのポーズをいくつか繰り返すなど、リズミカルであることがポイント。一定のリズムを刻みながら筋肉の緊張と弛緩を繰り返すことで、セロトニンが分泌されやすくなります。3つめは、精油を使ったアロマセラピー。ラベンダーやネロリ、クラリセージなどの精油にはリラックス作用のある酢酸リナリルやリナロールといった成分が含まれており、セロトニンの分泌を誘発するといわれています。

いかがでしたでしょうか。どのアプローチも取り組みやすいので習慣化できればなお良いですが、まずは生理前の2週間だけでも良いと思います。併せて、オーガニックコットンのパンティライナーやナプキンなど、生理がきたら試したい新しいサニタリー用品を準備るのもおすすめ。“セロトニン増量キャンペーン!”とばかりに、楽しむことも意外に大切なポイントです。

セルフケアコンシェルジュ いしずか久見子

美容ライター(現在も 石塚久美子 名義で活動)として、1998年より数々の美容トレンド、健康法、国内外のメイクアップアーティストや化粧品開発者の取材を経験。現在は、宝島社『リンネル』でナチュラルコスメやオーガニックコスメを中心とした連載を担当中。自身が敏感肌であったことから、得意とするのは、アロマセラピーや色彩の基礎を踏まえた上での、肌の弱い方に向けたコスメやメイクの解説。2012年からは都内数カ所の保健センター 精神保健デイケアの社会復帰プログラムにて、気分転換や余暇のツールとして色や質感を心の健康管理に役立てるアートレクリエーションの講師も担当している。

 

これまでのさまざまな取材や学びの経験から、30代では代謝、とくに体の使い方や食が重要であることを深く実感。整体的要素を含むタイ式ヨガ“ルーシーダットン”の講師資格、栄養医学のアドバイザー資格などを取得。適度な運動、食べ方、化粧品の選び方や使い方を見直す、セルフケアによって自身の花粉症や体の歪みも驚くほど軽減したため、現在は“無理をしないセルフケア”を伝え広めるべく邁進中。

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