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夏の終わりから初秋は、冬よりも内臓が冷えている?

夏の終わりから初秋は、冬よりも内臓が冷えている?

 

例年にないほどの猛暑を記録した2018年の夏。私自身がそうだったのですが、休憩の度に、暑さでのぼせた体を落ち着かせ、汗を早く引かせようと、冷たい飲み物をたくさん飲まざるをえない状況でした。そして、普段はそこまで心惹かれないアイスクリームやかき氷といった冷たいスイーツが、いつになく美味しく感じてしまった方も多いのでは…。

健康や美容の世界では、「夏の終わりは、冬よりも内臓が冷えている」といわれます。これは、日本で暮らしているととくに好まれる冷たい飲み物や食べ物を、ついたくさん摂りすぎてしまうことからきています。胃腸に冷たい飲み物や食べ物が送り続けられていると、そのすぐ近くにある膀胱や子宮にも冷えが及びやすくなります。もともと胃腸の働きが弱く、冷たいものを食べ過ぎた時にすぐにお腹を壊してしまうような方は、内臓の冷えに否が応にも気づかされます。一方で、もともと消化液の分泌や腸内細菌の働きが活発でお腹の調子が乱れにくい方は、内臓が冷えていることに気づきにくいかもしれません。その場合は、次のような視点から冷えているかどうかの確認をしていきましょう。

東洋医学の視点から見る、内臓が冷えると起こること

 

お腹の不具合はなくとも、手のひらでお腹に触れてみた時にひんやりとした感触があるようならば、内臓が冷えている可能性は高いといえます。夏の終わりから初秋に起こりがちな、もう1つの冷え方。それは、薄着で冷房に当たり続けるなど、肌表面が冷えていた時間が蓄積されたことで、内臓もじわじわと冷えつつある、というケースです。冷たい飲みものや食べ物を摂りすぎた、あるいは薄着による無意識的な冷えの蓄積、この2大要素によって内臓が冷えると、その結果起こるのは代謝の低下、血液やリンパ液など体内の水分の巡りが悪くなります。

また、「確かに真夏よりは手足が冷えてきて、むくみ感も少しある。でも、顔まわりはまだ暑さを感じるから、冷えているとはいえない?」そんな冷えと暑さの混在を感じる場合は、東洋医学でいう“冷えのぼせ”の状態。“冷えのぼせ”は、気温差の大きい時期や更年期などに起こりがちで、体温や代謝のバランスを調整する自律神経が乱れた状態です。“冷えのぼせ”になると、自律神経の乱れからやはり水分の代謝が滞り、内臓の冷えが起こりやすくなります。さらに、自律神経はホルモン分泌とも関わりが深いため、生理前に急変動する女性ホルモンのバランスの崩れにも繋がってしまいます。

 

 

冷えによって痛みが強まる?生理痛のメカニズム

 

内臓の冷えから起こる生理への影響として、知っておきたいのは、生理痛が重くなることです。生理時の痛みには、プロスタグランジンという体内でつくられるホルモンの一種が関わっています。プロスタグランジンが分泌されると子宮の収縮が起こり、子宮内膜の一部がはがれて経血として排出されます。

プロスタグランジンはある意味で、生理のスイッチのような役割を担ってもいるのです。しかし、内臓の冷えがデリケートゾーンをはじめ子宮まわりにも及んで血行が滞ると、経血を押し出す力が鈍くなるため、さらに多くのプロスタグランジンが分泌されます。こうして過剰に分泌されたプロスタグランジンは子宮の収縮を強め、陣痛のような下腹部の痛みを起こすのです。また、プロスタグランジンには炎症や発熱を起こす作用もあるため、冷えて骨盤内の血行が悪くなっていると、腰痛というかたちで痛みが現れる場合もあります。

痛みの元凶、プロスタグランジンの過剰な分泌を防ぐには、冷えが蓄積される前に温めることが大切。自律神経の乱れが関係している“冷えのぼせ”になっている場合は、生理痛のほかにもイライラや睡眠の質の低下といった症状が普段より感じやすくなるため、自律神経のバランスを取り戻すようなケアも必要です。

内臓の冷えを和らげるために、いますぐにできること

内臓の冷えによって、生理が普段よりつらくなってしまうのを防ぐためには、どんなケアが有効なのでしょうか。冷たい飲みものや食べ物を摂りがちな方は、シンプルに温かい飲みものや食べ物へのシフトを。東洋医学でいうところの、体を温めてくれる温性の食べ物(玉ねぎや人参などの根菜、お肉なら鳥や羊、お魚なら鯖やイワシ、木の実ではくるみや栗、スパイスは生姜やシナモンなど)や、飲み物(紅茶やほうじ茶など)を選んでも良いと思います。

薄着によって無意識的に冷えていたかも…という方は、腹巻きや靴下など、冷え取りアイテムを気になるところに取り入れるのはいかがでしょうか。“冷えのぼせ”が思い当たる方は、半身浴などで1日1度はしっかり頭寒足熱の状態にする時間を設けてみてください。また、冷えを感じる部分にぬるめの湯たんぽを当てるケアもおすすめです。湯たんぽは、じんわりと温めた後に自然と温度が下がっていくため、自律神経の体温調節の働きを妨げにくい温めツールです。

 

以上のようなケアを無駄にしないためにも、冷えの影響を受けやすい生理の時は、自然由来の吸収剤を採用したナプキンがおすすめです。石油由来の高分子吸収剤は、経血の吸収力や戻りにくさは抜群ですが、水分を“ゲル状にして逃さない”という特性から冷えが助長される可能性があるためです。冷えの自覚が強まるその前に、衣食住から温め環境を心がけることは、生理痛をひどくしない、あるいは和らげるための知恵のひとつです。

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セルフケアコンシェルジュ いしずか久見子

美容ライター(現在も 石塚久美子 名義で活動)として、1998年より数々の美容トレンド、健康法、国内外のメイクアップアーティストや化粧品開発者の取材を経験。現在は、宝島社『リンネル』でナチュラルコスメやオーガニックコスメを中心とした連載を担当中。自身が敏感肌であったことから、得意とするのは、アロマセラピーや色彩の基礎を踏まえた上での、肌の弱い方に向けたコスメやメイクの解説。2012年からは都内数カ所の保健センター 精神保健デイケアの社会復帰プログラムにて、気分転換や余暇のツールとして色や質感を心の健康管理に役立てるアートレクリエーションの講師も担当している。

 

これまでのさまざまな取材や学びの経験から、30代では代謝、とくに体の使い方や食が重要であることを深く実感。整体的要素を含むタイ式ヨガ“ルーシーダットン”の講師資格、栄養医学のアドバイザー資格などを取得。適度な運動、食べ方、化粧品の選び方や使い方を見直す、セルフケアによって自身の花粉症や体の歪みも驚くほど軽減したため、現在は“無理をしないセルフケア”を伝え広めるべく邁進中。

 

 

 

 

 

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