コラム

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母親から子どもに伝えたい、デリケートゾーンと生理の話。

母親から子どもに伝えたい、デリケートゾーンと生理の話。

 

妊娠をして授かった赤ちゃんが女の子とわかった時、お母さんはきっと「大きくなったら、女同士のお喋りが楽しみなだなあ」と喜びを噛み締めることと思います。一方で、「ああ、そのうち自分と同じように毎月のPMSや生理痛に悩む時がくるのか…」と、約10年前後に訪れるであろう展開に思いを巡らせる方もいるかもしれません。

日本は経済先進国ではありますが、体の悩みや性的な話題についてオープンに話し合えるコミュニケーションの土壌となると、そこまで成熟していないのが現状です。「自分だけが、みんなと違う症状だったら恥ずかしい」という気持ちからトラブルについて誰にも相談できずにいる人がかなり多いのです。デリケートゾーンや生理のことは、性教育、妊娠・出産、更年期、老後の介護にまでつながるテーマ。まずは親子で、安心して遠慮なく会話できるような雰囲気をつくっていきたいですよね。そのために、一緒にお風呂に入った時、初潮を迎えた時、ボーイフレンドができたことを教えてくれた時など、日々のルーティンの中でのタイミングやライフイベントのようなきっかけを逃さぬよう、少しだけ“伝える準備”をしてみませんか。

幼児期、児童期、思春期、発達に合わせ段階的に伝える

スウェーデンやフィンランドでは、性教育が5歳から始まると初めて聞いた時、私自身「なんて早い!」という驚きと「日本が遅すぎる?」という動揺が入り混じった気持ちになりました。ただ北欧でのそれは、日本で捉えられている性行為や性感染症について教え学ぶ「性教育」とは少し違い、その前提ともいえる体と心とコミュニケーションについて真剣に考えることの学び始め、という感じでした。そのことがわかり安堵した反面、日本においてそういった感覚を発達の早い段階から身につけるには、いまのところ家庭内での取り組みがとても重要だと感じました。

イタリア初の女性医師であり、精神病院で働いていたマリア・モンテッソーリ(1870〜1952)が考案した「モンテッソーリ教育」をご存知でしょうか。子供の自主性・協調性・社会性を育むことを重んじ、人間としての成長の完成を24歳頃として、それを4つの発達段階に区切って行う教育方法です。発達段階の年齢範囲はそれぞれ、幼児期(0歳〜6歳)、児童期(6歳〜12歳)、思春期(12歳〜18歳)、青年期(18歳〜24歳)となります。デリケートゾーンや生理について「幼いうちからあれもこれもと話しても、消化できないだろうな」「いくつくらいまでに、何を伝えるべきなのだろう」と考えあぐねてしまう場合は、この4つの発達段階のうち幼児期、児童期、思春期の3段階で理解を深めていくイメージを持つと、コミュニケーションがスムーズに進みそうです。

 

 

幼児期は、デリケートゾーンについてと洗い方

幼児期の後半、4歳〜6歳は自分でトイレに行って用を足せるようになる年頃。そのぶん、皮膚と粘膜が共存するデリケートゾーンの扱い方を間違ってしまうと、かゆみ、ヒリつき、ただれといったトラブルが出やすくなります。用を足した時の拭き方は、保育園や幼稚園、お家で日々教わりながら自然と身につきますが、デリケートゾーンが腕や足の肌よりもずっと弱く、やさしく扱ってあげる必要があること、お風呂に入った時の洗い方などは、繰り返して伝えることがトラブルの予防につながります。

ぜひお風呂場にはデリケートゾーン専用石けんのご用意を。「“おまた”を洗う石けんはこれ」「石けんをつけて洗うのはこの部分」といった一連の動きを毎日同じ流れで一緒に行います。「常在菌で守られている膣の洗い過ぎに注意しながら、汚れだけをきちんと落とす」ということ大人の女性のスタンダードがまだ理解できなくても、小学校に上がるまでに習慣化できれば一人でお風呂に入るようになっても安心です。

児童期は、初潮についてとPMSや生理痛の話題

劇的な成長をとげる児童期(6歳〜12歳)は、初潮の年齢が10歳〜15歳頃といわれているので、半数の女の子が初潮を迎える時期です。体の成長が早い場合には9歳のお誕生日を迎えたあたりから、初潮とは何か、どんな体の変化が起こるのか、少しつずつ伝えて心構えのサポートを。生理は、経血量やその出方、生理痛の度合いにしても、個人差がかなりあるものです。初潮の時からしっかりとこれが経血とわかることもあれば、ごくわずかな量の経血で初潮がきたのかどうか判断できないこともありますよね。時にはお母さんが自分の生理のこと、PMSのだるさや生理痛とはどんな感じの痛みなのか、ネガティブな感じではなく、体を観察した結果として話してみることで娘さんは体の変化を報告しやすくなると思います。

いよいよ初潮を迎えたら、学校ですでに学んでいるであろう大人の女性の体への変化についてや生理用品の基礎知識を、一歩深めるタイミングです。2018年5月のコラム『女性の体に備わっている体内時計、生理のリズムに上手にのれたなら。』でもお伝えしていますが、生理は生命のリズムのであり健康のバロメーターのひとつ。PMSや生理痛をどうしたら軽くできるかという話題を母娘で共有し、いろいろなセルフケアに取り組んで感想を言い合うといった取り組みもおすすめです。また、子宮は赤ちゃんが宿る神聖な場所、というのは小学校高学年であればもう理解していると思うので、「赤ちゃんのベッドとして準備された子宮内膜が含まれているのが経血」であることとも確認しておきたい点。これは、経血をどう捉えるかで、体にやさしい生理用品について考えるベースができるからです。

思春期は、生理用品へのこだわりと妊娠について

思春期は、日本でいうと中高生にあたります。青春真っ盛りのティーンの時期は、試験にぶつかってしまった、部活動に支障が出た、体育祭や修学旅行に重なってしまったなど、なにかと生理が面倒に感じがちです。生理痛が重い時は薬に頼れば、経血が多い2日目は高分子吸収体の長時間吸収タイプのケミカルな生理用品に頼れば、という気持ちになるのも無理はありません。ただ、生理痛が重くなる原因の筆頭に冷えがあること、そして冷えにくいオーガニックコットンの生理用ナプキンやサニタリーショーツを試してみることについて、ショッピングの時などにさりげなく話題にできたなら、母娘そろって女性としての人生がさらに豊かになるのではないかと思います。

また、高校生までには性行為や性感染症について具体的な知識を獲得し、好きな人ができればその人とこのままお付き合いして結婚も…といった夢を思い描くことも出てくるでしょう。青年期の18歳〜24歳あたりからは家族になるという選択肢が現実味を帯び、成長が完成した24歳以降はいつでもお母さんになりたい、という女性も増えます。いざその時に生理トラブルが妊娠を妨げる障壁とならないようにするには、やはり幼児期からの理解の積み重ねが大切に。

心と体の成長は、つねに同じ歩幅の二人三脚で進むわけではないもの。精神的には大人びているけど、体の発育が遅めだったり、逆に言動は無邪気で子供っぽいけれど、体はすっかり大人の女性と同じ、という場合もあります。4つの発達段階を目安として、娘さんの心と体のバランスを見極めがながら生理について対話を重ねることは、きっとお母さん自身の女性としての健やかさにも役立つ発見があるはずです。

参照サイト

モンテッソーリ教育とは

大人までの発達4基本段階

https://www.preschool.tokyo/contents/4step.html

セルフケアコンシェルジュ いしずか久見子

美容ライター(現在も 石塚久美子 名義で活動)として、1998年より数々の美容トレンド、健康法、国内外のメイクアップアーティストや化粧品開発者の取材を経験。現在は、宝島社『リンネル』でナチュラルコスメやオーガニックコスメを中心とした連載を担当中。自身が敏感肌であったことから、得意とするのは、アロマセラピーや色彩の基礎を踏まえた上での、肌の弱い方に向けたコスメやメイクの解説。2012年からは都内数カ所の保健センター 精神保健デイケアの社会復帰プログラムにて、気分転換や余暇のツールとして色や質感をストレスマネージメントに役立てるアートレクリエーションの講師も担当。

 

これまでのさまざまな取材や学びの経験から、30代では代謝、とくに体の使い方や食が重要であることを深く実感。整体的要素を含むタイ式ヨガ“ルーシーダットン”の講師資格、栄養医学のアドバイザー資格などを取得。適度な運動、食べ方、化粧品の選び方や使い方を見直す、セルフケアによって自身の花粉症や体の歪みも驚くほど軽減したため、現在は“無理をしないセルフケア”を伝え広めるべく邁進中。

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