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腸内フローラと関連の深い、デリケートゾーンケアと生理痛

腸内フローラと関連の深い、デリケートゾーンケアと生理痛

長い梅雨の後は記録的な猛暑。初秋も暑さはしばらく続きそうで、体調がジェットコースターのようにアップダウンしてもおかしくない状況が続いています。「こういう時はセルフケアが必要とわかっていても、どこから手をつけたら…」と迷ってしまう方も多いと思いますが、その答えの1つとして確実に入ってくるのは“腸活”。高気温、高湿度の日本の夏においては、ついノドが渇くと冷たいものに手が伸びがち。飲み物やスイーツだけでなく、食事も火を入れた熱々ものより、「冷製○○○」といったメニューが美味しそうに思えたりしますよね。

しかしながら、腸内フローラ(腸内細菌叢)や体内の代謝活動に必要な酵素の活性化には、体温が36.5℃は必要といわれています。体の中心である胃腸を冷やす食事が続くと、低体温傾向へと近づき腸管免疫の働きが低下してしまいます。さらに腸内フローラは、デリケートゾーンの健やかさとも深い関係があることが近年になってわかってきました。

腸内フローラの常在菌として存在するカンジダ菌

腸内フローラは、大きく分けると善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類で構成されています。理想的な比率は、善玉菌2: 悪玉菌1: 日和見菌7とされ、日和見菌は悪玉菌が増え過ぎると引っ張られて悪玉化してしまいます。腸内フローラのバランスの乱れ、それはこの比率が崩れて悪玉菌が優勢になっている状態を指します。その状態が続くと、アトピーや喘息といったアレルギー疾患の悪化、糖尿病などの発症などに繋がるというのはだいぶ前から注目されている事実でした。そこでそのメカニズムを明らかにすべく行われた研究でわかったのが、腸内の真菌(カビ)が増殖して症状を悪化させている、という事実でした。

この真菌(カビ)の一種とは、カンジダ菌のことです。腸の常在菌であるカンジダ菌は、腸内フローラが健やかな状態の時は“酵母型”として存在し、免疫細胞を活性化したり、一部の善玉菌の栄養になってくれます。ところが、生活習慣や加齢、強いストレスなどによりカンジダ菌が大量繁殖してしまうと悪玉化した“菌糸型”となって、炎症を誘発するようになるそう。

腸のカンジダ菌の増殖はデリケートゾーンにも影響

悪玉菌として菌糸を伸ばしながら腸内で大量にカンジダ菌が増殖した、腸管カンジダ症という状態。先述のアレルギー疾患や糖尿病などの血糖値トラブルのほか、一般的な下痢、便秘にはじまり、食道炎、胃炎、腸管を傷つけて起こるリーキガット症候群、大腸炎、舌の痛みや歯周病といった口腔トラブル、そして膣カンジダ炎を引き起こすこともあるそうです。(膣カンジダ炎については、今年5月のコラム『婦人科医の著書に学ぶ、膣の菌バランスを大切にした生理用品選び』でも触れているので良ければご参照ください)。

ではどうしたら、腸でのカンジダ菌の増殖を抑制できるのでしょうか。すぐにもできる大前提のアプローチとしては、冒頭に述べた「お腹を冷やさない」ことで善玉菌を弱らせないように。その上で、気をつけるべきポイントがいくつかあります。腸内フローラにしても膣内フローラにしても、菌は薬剤の影響をとても受けやすいのです。歯科治療やインフルエンザの治療において避け難いこともありますが、抗生剤は狙ったウイルスだけでなく善玉菌にもダメージを与えてしまうため、カンジダ菌の大量繁殖を招きやすいといわれています。また、ピルを飲む場合は、含まれている女性ホルモン(エストロゲン)の作用が膣内でカンジダ菌の餌となるグルコースの増殖を招くとのこと。カンジダ菌は湿度の高い環境が好きなカビなので、ピル利用時にはカンジダ菌増殖によるかゆみ予防策として、通気性の良いオーガニックのおりものシートや生理用ナプキンの使用をおすすめします。

カンジダ菌が増殖すると生理がつらくなるって本当?

以前のコラム『夏の終わりから初秋は、冬よりも内臓が冷えている?』で、生理時の痛みにはプロスタグランジンという体内でつくられるホルモンの一種が関わっている、というお話をしました。実はプロスタグランジンには3種類あり、そのうちの1種類、プロスタグランジンE2には子宮筋を強く収縮させる作用があり、炎症を誘導する性質があります。近年の研究では、腸内のカンジダ菌はこのプロスタグランジンE2を産生する働きがあることがわかっているため、カンジダ菌の増殖と生理痛は関連があるといえそうです。

また、薬剤を使わずとも極度の疲労やストレスからカンジダ膣炎を経験する方がいるように、腸管カンジダ症も、ストレスや疲労による自律神経の乱れが原因の一つとしてあげられます。そのほか食生活では、スイーツをはじめとする糖分、加工食品、腸管を傷つけるグルテンを含んだ小麦食、カフェインやアルコール、これらの摂りすぎはカンジダ菌を増やしやすく注意が必要です。腸内フローラのバランスが乱れ、腸内環境が悪化すれば自己治癒力が低下します。わかりやすい病状でなくても、慢性疲労、お腹の不調、偏頭痛、集中力や意欲の低下、それらがPMSや生理の時にひどく出て日常に支障が出そうなど、長期的であったり、深刻化のサインを感じた場合には、我慢しすぎず専門的な検査をしてくれるクリニックを訪ねてみてください。腸内フローラのバランス、カンジダ菌の影響を調べて、サプリメントの活用や生活習慣の指導によって対策を打つことも可能ですよ。

参照サイト

腸内細菌のバランスの乱れが、喘息を悪化させるメカニズムを解明
—新しい発想のアレルギー治療へ—

https://www.jst.go.jp/pr/announce/20140116/index.html

医療法人社団・一友会 ナチュラルクリニック代々木

2020.01.20更新記事

腸内改善のポイント イースト(カンジタ)菌

http://www.natural-c.com/blog/2020/01/post-214-714903.html

医療法人 全人会 小西統合医療内科

診療内容 [腸管カンジダ症でお悩みの方 ]

https://www.konishi-clinic.com/symptoms/candida.html

セルフケアコンシェルジュ いしずか久見子

美容ライター(現在も 石塚久美子 名義で活動)として、1998年より数々の美容トレンド、健康法、国内外のメイクアップアーティストや化粧品開発者の取材を経験。現在は、宝島社『リンネル』でナチュラルコスメやオーガニックコスメを中心とした連載を担当中。自身が敏感肌であったことから、得意とするのは、アロマセラピーや色彩の基礎を踏まえた上での、肌の弱い方に向けたコスメやメイクの解説。2012年からは都内数カ所の保健センター 精神保健デイケアの社会復帰プログラムにて、気分転換や余暇のツールとして色や質感をストレスマネージメントに役立てるアートレクリエーションの講師も担当。

 

これまでのさまざまな取材や学びの経験から、30代では代謝、とくに体の使い方や食が重要であることを深く実感。整体的要素を含むタイ式ヨガ“ルーシーダットン”の講師資格、栄養医学のアドバイザー資格などを取得。適度な運動、食べ方、化粧品の選び方や使い方を見直す、セルフケアによって自身の花粉症や体の歪みも驚くほど軽減したため、現在は“無理をしないセルフケア”を伝え広めるべく邁進中。

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