鍵はホルモン。心を安定させるナチュラルなアプローチ
しばらく続きそうなウィズ コロナ生活。私自身、つねに心配や不安でメンタルが占領されてしまっていないか、一日の終わりにすこし振り返ってみることが習慣になりました。怒りや悲しみといった強い感情まではいかずとも、弱いストレスがずっとかかっている状態は自律神経系の不調を招きやすくなり、結果として免疫力の低下につながってしまいます。女性の場合、普段はポジティブでも、生理前や生理中は知らずのうちにネガティブになってしまうことがあります。PMSのいち症状として、心配や不安に囚われてしまうことは誰にでも、毎月のように起こりえることです。
心配や不安の反対である、安堵や安心といった心持ちを保つためには、とくに生理前など、に意識してリラックスとリフレッシュの時間を持ってみましょう。以前のコラム『生理前のイライラ&落ち込みを、軽くするには。』で取り上げていますが、心の安定には“幸せホルモン”といわれるセロトニンが深く関わっています。PMSにおけるメンタルの不調をはじめ、甘いものなどを暴飲暴食したくなるのは、女性ホルモンのバランスの一時的な崩れからセロトニンが減少するため、というお話をしました。そしてメンタルに関連するホルモンの中には、もう1つ、心の落ち着きに関連する「オキシトシン」というホルモンもあります。
安心感をもたらすオキシトシン、どんな状況で分泌される?
オキシトシンが分泌されるのは哺乳類だけで、とくに女性にとっては出産時の陣痛促進、母乳の合成と分泌にも欠かせないホルモンです。数十年前は母性愛と関連が深いことで知られていましたが、近年の研究では性別や年齢に関わらず愛情や信頼に基づいて分泌されることがわかってきました。オキシトシンは、親子やパートナーとのスキンシップなど、心を許せる相手との肌の触れ合いでとくに分泌が促されます。確かに安心、安堵の境地に至るには、信頼が必要不可欠ですよね。とはいえコロナ禍においては「相手が大切だからこそ、スキンシップなど接近することに気が引けてしまう…」と感じる方も多そうです。実は、オキシトシンの分泌の条件として、自分以外の対象との積極的な触れ合いが必須かというと、そうでもないようです。以下のような生活行動でも、オキシトシンの分泌が促されるといわれています。
・ペットなど動物と遊ぶ
・感動の涙を流せるような映画を観る
・気の置けない友人と楽しく食事する
・肌触りの良いタオルやブランケットを使う
・ローズやネロリの精油の香りを嗅ぐ
愛着と心地良さ、癒しの環境やグッズをそろえて過ごす
オキシトシンは癒しホルモンとも呼ばれるように、大事なのは自分にとっての癒しであるかどうか。そして“触れ合う”も重要なキーワードなので、寝具や衣服などで気持ちいい感触を堪能することも有効だそう。また、ローズやネロリの精油については香りを嗅いだあとにオキシトシンの分泌が高まったという研究結果もあり、触覚だけではなく嗅覚からのアプローチも一部可能といえそうです。ネロリの精油については、セロトニンの分泌も促されることがわかっています。脳生理学研究者の有田秀穂 氏によれば、オキシトシンが分泌されるとセロトニン神経が活性化されてセロトニンの分泌も促されるそう。オキシトシンとセロトニンは相互関係にあるので、両方の分泌を促すようなケアを積み重ねると、さらに心穏やかで前向きな気持ちへのチューニングが進みそうです。
オキシトシンに着目したこれらの自分癒しをPMS対策として取り入れつつ、生理中はナプキンの肌触りにこだわるのもおすすめです。通気性の良いオーガニックコットンのナプキンは、使ってすぐ「ほっとする心地よさを感じる」と多くの方が口にします。とくにナトラケアは、ライナーも含めてつけていることを忘れてしまうほど軽やかなスリムタイプ。肌へのしなやかな触れ心地が快適で、まさに癒しの紙ナプキンといえそうです。
参照サイト
PHPオンライン衆知
2012.08.17公開記事 —「脳の疲れ」がスーッととれる!“癒しホルモン”オキシトシンの増やし方—
https://shuchi.php.co.jp/article/1092
タオルト
2019.08.15公開記事
皮膚は第3の脳!?「ふかふかタオル」で幸せを感じよう!
https://towel-to.jp/blog/1709/
くらしとアロマ https://aromicstyle.com/blog/
2019.05.28 公開記事ー幸せホルモン「オキシトシン」を増やすアロマでストレス軽減!—
セルフケアコンシェルジュ いしずか久見子
美容ライター(現在も 石塚久美子 名義で活動)として、1998年より数々の美容トレンド、健康法、国内外のメイクアップアーティストや化粧品開発者の取材を経験。現在は、宝島社『リンネル』でナチュラルコスメやオーガニックコスメを中心とした連載を担当中。自身が敏感肌であったことから、得意とするのは、アロマセラピーや色彩の基礎を踏まえた上での、肌の弱い方に向けたコスメやメイクの解説。2012年からは都内数カ所の保健センター 精神保健デイケアの社会復帰プログラムにて、気分転換や余暇のツールとして色や質感をストレスマネージメントに役立てるアートレクリエーションの講師も担当。
これまでのさまざまな取材や学びの経験から、30代では代謝、とくに体の使い方や食が重要であることを深く実感。整体的要素を含むタイ式ヨガ“ルーシーダットン”の講師資格、栄養医学のアドバイザー資格などを取得。適度な運動、食べ方、化粧品の選び方や使い方を見直す、セルフケアによって自身の花粉症や体の歪みも驚くほど軽減したため、現在は“無理をしないセルフケア”を伝え広めるべく邁進中。